米国で最もホットなウィジェット(続)

ウィジェットは、コンテンツとユーザーを「ダイレクト」に結ぶだけでなく、ユーザーをディストリビューター(配信する人)に変えてしまうことができる。アマゾン(Amazon.com)が提供するエクスプレス・ユアセルフ・ウィジェット(Express Yourself Widget)を利用してユーザーが自分の気に入った音楽のリストを自分のブログやSNSに載せれば、それを見た別のユーザーがクリックして、楽曲の購入につながるかもしれない。大手出版社のランダムハウスのウィジェットを貼っているユーザーは、新刊を発売する同社のオンラインサイトへウィジェットをクリックしたユーザーを誘導するナビゲーターにもなり得る。調査会社コムスコアの発表によれば、2007年4月だけで、人気のあるウィジェットのユニーク・ビジター数は1億人にも上っており(スライド(Slide)1.2億人、ロックユー(RockYou)0.8億人)、ウィジェットはコンテンツのキラー・ディストリビューション・ツールになりつつある。

このようにウィジェットがビジネス界でも注目され始めれば、ウィジェットに関するプラットフォーム環境を提供する企業も登場する。ウィジェットを開発し、SNSやブログにウィジェットを貼る簡単なツールを提供するだけでなく、ウィジェット掲載後のトラフィックの分析やマネタイズ(収入を得る)を可能とする基盤的技術を提供するものである。クリアスプリング(clearspring)、ウィジェットボックス(widgetbox)、フリーウェブズ(Freewebs)といった企業がウィジェットを管理するプラットフォーム環境を提供している。2007年7月時点で、クリアスプリングの環境を利用して提供されたウィジェットは65億個にも上る。米アップルが2007年中にリリースするとされている次期MacOSX(コードネーム:レオパード)には、ウェブ上のコンテンツをユーザーが簡単にウィジェット化するツールを組み込んでいる。つくづく感じることであるが、米国企業はこのようなプラットフォーム環境を提供するのが本当にうまい。気づいたときにはデファクトになっており、プラットフォームのユーザーから直接的、間接的に相当の利益を吸い上げるのである。

さらに、ウィジェットが金になることを嗅ぎ取ったウィジェット開発企業やウィジェット・プラットフォーム提供企業は、2007年7月にニューヨークにおいて開催された「ウィジェット・コン2007(WidgetCon 2007)」というイベントにおいて、ウィジェット・マーケティング・アソシエーション(WMA: Widget Marketing Association)という業界団体を設立した。フリーウェブズ、クリアスプリング、コムスコア、ロックユーなどが名を連ねている。この団体では、ウィジェット関連技術の標準化や、ウィジェットへの広告挿入の問題などを取り上げて、ウィジェット業界を利益を生み出す業界へと成長させていくことを目的としている。果たして、日本では、ブログパーツと呼ばれる以上の発展があり得るのだろうか。

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