パーソナライズド・スタートページで囲い込み

ユーザーがネット接続した場合に必ず見るのがスタートベージ(ホームページ、フェイスページ)である。スタートベージとしてどのページを設定してもらうか、スタートベージをパーソナライズ(カスタマイズ)し、どんな情報を貼ってもらうかという問題に、ネット業界は凌ぎを削る。それは、パーソナライズ・スタートベージは、ユーザーとネットを「ダイレクト」に結ぶ最初の入り口になるからだ。マーケティング上、商店街の入り口に看板を出させてもらえるかどうかは、顧客の呼び込みに大きく影響する。

米国では、若者を中心に、グーグルやヤフーをスタートベージにするのではなく、SNSのマイスペースやフェイスブックをスタートベージにする人も多い。であれば、前に書いたように、フェイスブックにどんなウィジェットを貼ってもらうかという競争が生じる。

グーグルもユーザーの囲い込みに余念がない。グーグルのロゴと検索窓から構成されるグーグルのシンプルなスタートページをユーザーが自由にカスタマイズする環境をアイ・グーグル(iGoogle)と呼んで提供している。壁紙にいくつかのテーマが設定でき、グーグルが提供する数多くのグーグル・ガジェット(Google Gadget、グーグルはウィジェットをガジェットと呼ぶ)をユーザーが自由にスタートベージに貼付けることができる。天気予報や株式情報に始まり、ニュース、ブログの記事一覧、ユーチューブの人気ランキング、ゲームなど、グーグル自身だけでなく第三者が開発したガジェットを自由に選び配置することができる。以前から、グーグルは、グーグル・デスクトップ(Google Desktop)と呼ばれるソフトウェアを無料配布し、ユーザーのローカルな環境の検索を可能にするだけでなく、ブラウザとは別にユーザーのPCの脇にガジェットを自由に配置する機能を提供していた。アイ・グーグルは、特別なソフトウェアのインストールなしにブラウザだけでパーソナライズする環境であり、スタートベージに好きなガジェットを貼って、ユーザーとユーザーが好むコンテンツを「ダイレクト」に結ぶのである。

スタートベージのカスタマイズを専業に行うサービスも人気を呼んでいる。フランス生まれのネットヴァイブス(netvibes)は、150カ国以上で1000万人以上ものユーザーが支持を得ている。ネットヴァイブスのページに行くと、天気予報、ニュース、ブログ、電子メールの受信状況、SNS、検索エンジン、インスタント・メッセンジャー、写真、ビデオ、ポッドキャストなどを配信する小さなウィンドウばかりが並んだ画面が現れるが、ユーザーはごく簡単にこれらの情報を並び替えたり、内容を入れ替えたりして、自分だけのスタートページを作成できる。

ドイツ生まれのページフレークス(Pageflakes)もネットヴァイブスと同様のサービスであり、ユーザーが自由に情報の断片(フレーク)を選択し、並び替えることができる。ページフレークスの場合には、最初にユーザーが興味のある分野(旅行、金融、テクノロジーなど)をいくつか選ぶことで、ページフレークスの方で自動的におすすめパーソナライズ・スタートページを提供してくれる点が、ユーザーに優しい設計になっている。また、2007年7月に、ページフレークスにソーシャルネットワークの機能が追加された。ユーザーのプロフィールページから共通の興味や興味を持つ他のユーザーとつながる。パーソナライズド・スタートページとSNSとの間で、ユーザーとの「ダイレクト」な関係の奪い合いが始まった。

特定の世代を狙ったサービスも登場した。ニューヨークを拠点とするグローバル・グリンド(GlobalGrind)は、ヒップホップ世代をターゲットにパーソナライズド・スタートページをリリースしている(2007年7月現在、α版)。スポーツ、ゴシップなど若者のプリファレンスに合わせている。

ユーザー・エンパワーメントの時代の流れをつかみ、ユーザーとユーザーが好むコンテンツを「ダイレクト」につなぐパーソナライズのためのプラットフォームはますます進化を遂げるだろう。

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