ヒューマン・パワーの「フォークソノミー」

「クラウドソーシング」は、あるユーザーが他の大多数のユーザーの知恵を借りてゆるやかなネットワークを構築する場合もある。自分と同じ関心を持つユーザーがどんな情報を持っているのか、自分の知らない新しい発見があるのではないかというのは皆が気になるところである。また、自分と同じベクトルを持つユーザーが持つ情報をかき集めれば、簡便に知の集大成ができあがる。

このような社会的なネットワーキングの関係を構築するのが、「フォークソノミー(Folksonomy)」の役割である。「フォークソノミー」とは、人々(folks)+分類法(taxonomy)を合わせた造語だ。従来の分類法は、図書館での本の分類のように、情報を管理している人が体系立った分類法を作成し、ユーザーはその分類法に従うしかなかった。しかし、「フォークソノミー」では、写真や動画やブログのエントリーやニュース記事など、ユーザーが気に入った一つ一つの情報に自分でタグ(tag)を付けて行くことができる。例えば、自由の女神を撮った写真について、その写真の内容を表現する「自由の女神」、「ニューヨーク」、「アメリカ」などのキーワード(タグ)を付けて行く。ヤフー傘下の写真共有サイトのフリッカー(Flickr)では、一月当たり250万もの写真についてタグ付け作業が行われており、タグの巨大なデータベースとなっている。「ニューヨーク」というタグで検索すると、自分の持っていないニューヨークに関する写真が数多く出てくる。タイムズスクエアであったり、黄色のタクシーであったり、他のユーザーが「ニューヨーク」というタグが適切だと思った写真がずらずらと出てくる。新しい発見があるという訳である。

写真を例にとると「フォークソノミー」は趣味的なものと取られがちであるが、ブログのエントリーやニュース記事の場合には、自分がタグをつけてブックマークしていた情報に、同じくブックマークしている他のユーザーのタグ付け情報から、自分の知らない情報に出くわすことがある。タグ付け情報を介して、他のユーザーとゆるやかに繋がるこの技術は「ソーシャルブックマーク」と呼ばれている。米国では、デリシャス(del.icio.us)が、日本では、はてなブックマークを利用している人が多い。ソーシャルブックマークを使うと、自分がブックマークした情報に何人位の人が同様にブックマークしているのかも分かるので、情報の関心度合いも一目瞭然だ。

このように「フォークソノミー」は、群衆による巨大な集合知の中から自分が探し求めている情報や、それに隣接した情報を探し当てることができる。通常の検索エンジンが強力なコンピュータ・パワーを使って検索しているのに対し、「フォークソノミー」は、強力なヒューマン・パワーを使って情報を探し求めるツールとも言える。

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