ブラウザつながりのミ・ディアム

ブラウザは、一人のユーザーをネットの世界へ導く窓である。その窓を通して、SNSサイトやウィキのページに行けば、他のユーザーとのソーシャルな関係が生まれる。しかし、ブラウザ自身にソーシャルな機能が組み込まれたとしたらどうであろうか。例えば、あるユーザーがアップルのオンライン・ストアでiPodの購入を迷っていたとする。そのときに、別の量販店のオンライン・ストアで同じ型のiPodの価格をチェックしているユーザーと会話ができたら、価格情報を交換し、よく吟味した後に購入することが可能になる。ブラウザを通して「クラウド・ソーシング」ができるのだ。

このようなブラウザ自体にソーシャルな関係をもたせることができるのが、ミ・ディアム(me・dium)である。ミ・ディアムは、ファイアーフォックス(Firefox)のアド・オン(機能拡張)ソフトウェアである(最近、インターネット・エクスプロア最新版でも対応可能になった)。ミ・ディアムをインストールし、ユーザー登録手続きを済ませると、ファイアーフォックスの右側にサイドバーが現れる。サイドバーの上段には、ウェブスフィア(websphere)を模した球形上のマップの中にミ・ディアムのユーザーたちのウェブサイト閲覧状況が表示される。マップの中心には、あなたとあなたが見ているウェブサイトのタイトルが表示され、その周りにはあなたが見ているウェブサイトと関連性のあるウェブサイトをチェックしているユーザーたちが表示される。視覚的なインターフェイスなので、自分が今見ているウェブサイトの内容に近いサイトをみているユーザーが誰なのかがすぐにわかる。サイドバーの下段にはチャット用のウィンドウがあり、上段に表示される他のユーザーとのチャットを行うことができる。また、友達登録したユーザーが、今どんなサイトをブラウジングしているかも分かるので、一緒にオンライン・ショッピングに行こうと誘うことも可能である。

ミ・ディアムは、現実世界で自分の周りの人が自分の意志決定や行動にかなり影響を与えるという当たり前の環境をオンラインに持ち込んだものだ。ミ・ディアムのホームページでは、通りを歩いているときにどのレストランに入ろうかという状況を例に挙げて説明している。3つのレストランがあったとして、それぞれのレストランの特徴が、一つ目はガラガラ、二つ目は満席、三つ目は2人の友達が食事をしているという場合、その状況はあなたの行動に大きな影響を与えるだろうという例を引き合いに出している。ミ・ディアムは、ブラウザの背後に隠れた多数のユーザーを目に見えるようにし、彼らとリアルタイムにつなげてくれる「ソーシャル・ブラウジング」を可能にする。ミ・ディアムと似たようなサービスにアザーズ・オンライン(OthersOnline)がある。アザーズ・オンラインは、似たようなプロファイルをもつユーザーを、ブラウザ上のドロップダウンリストに表示して結びつけることに重点をおいているが、ミ・ディアムの方が圧倒的に視覚に訴えるインターフェイスを持つ。

ミ・ディアムは、ガートナーのシンポジウムであるITXPO2007でも紹介され、次世代のコラボレーションツールとして注目を浴びた。ただ、その反面、プライバシー保護や煩わしさを指摘する声もあり、今後の改善が期待されている。

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