「プレゼンス」を表す情報の価値

ネット上でユーザーどうしのソーシャルな関係を構築するには、いろいろなテクノロジーがあるが、米国では、結びつきの強さや時間軸で捉えたときに、あらたなジャンルのテクノロジーが注目を浴びている。

ここで「米国」では、とあらかじめ断ったのは、国によってどんなコミュニケーションツールを使うかは、通信環境の歴史やデバイスの普及度合いによって大きく左右されるからだ。例えば、日本の場合には何といっても携帯電話によるコミュニケーションが無視できない。音声通話だけでなく、ショートメッセージ(SMS)、電子メール、SNSも、携帯電話を利用した情報交換がプライベート、ビジネス両面で主流とも言ってもいい。米国では、大都市圏のビジネスマンは、カナダのリサーチ・イン・モーション(Research In Motion)のブラックベリー(Black Berry)端末を利用して、電子メールで情報交換するのが主流であるが、大半の人は携帯電話で音声通話をしているだけの人が多い。ネット上のコミュニケーションツールを利用する場合には、家庭、学校、会社でPCからアクセスする場合が圧倒的に多い。そこで、ここでは、米国でのトレンドを紹介するが、この現象は日本のアーリーアダプターの人たちにも話題になっている。

最もソーシャルな関係が強く、時間的にもリアルタイムの情報交換を要求する場合に使うテクノロジーは、インスタント・メッセンジャー(IM)であろう。電子メールもソーシャルな関係が強い場合に用いるが、時間的には相手がいつ読んでくれるか分からない面がある。逆に、最もソーシャルな関係が弱く、時間的にもさほどリアルタイム性が要求されない場合に用いられるのが、ブログであろう。ブログにはコメントを書いたり、トラックバックをしたりする機能はあるが、大多数の人はブロガーと面識はなく、ただエントリーを読むだけであり。フィードを購読していたとしても、エントリーの内容に緊急性は少ないので、急いで読もうとするユーザーは少ない。ブログよりもソーシャルな関係を求めたのが、SNSと言える。友達が最近考えていることや友人の身の回りの出来事など、友達(フレンド)登録しておけば、自動的に情報が流れてくる。しかし、この場合も情報の内容自体にさほど緊急性はない。

そこで、IMほどは緊急性を要しないが、SNSよりも今を重視する「ゆるやかな友達関係」を構築するテクノロジーが注目を浴びている。その代表格がトゥイッター(twitter)である。2007年3月にオースチンで開催されたサウス・バイ・サウスウエスト(South by Southwest)という音楽、映画、インタラクティブメディア関係のイベントで、ロバート・スコブル(Robert Scoble)などの有名なブロガーがトゥイッターを紹介したことからブレイクした。トゥイッターは、「今、何をしているの?(What are you doing?)」ということを友達に情報発信するだけのツールである。「今、ハリーポッターの最終話を読んでいる」とか「今、ミーティングが終わったばかり」とか、知らない人は勿論のこと、友人ですら、ややどうでもいいような情報が発信される。トゥイッター・ヴィジョン(twittervision)という、トゥイッターとグーグルマップをマッシュアップしたサイトを見れば、世界中のあちこちで他人から見ればどうでもいいような情報が交換されている(日本からの情報発信も頻繁におこる)。

破壊的トレンドの一つである「ダイレクト」のところで以前に述べたことであるが、時間軸と情報の持つ価値をグラフにとった場合、トゥイッターのような時間の足が速い情報は、フィード情報に比べて、情報発信から少しでも時間が経つと情報のバリューが急激に低下する。例えば、トゥイッターのように、「今私はこんなことをしている」という情報を発信したところで、私の「プレゼンス」を表すその情報の持つ価値は、明日聞いても全く意味をなさないのである。しかし、今流すことに価値がある場合も多い。それが、「プレゼンス」が価値を持つ瞬間である。

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