現実と仮想の融合、拡張現実感(AR)

東京やニューヨークのような大都市ならともかく、地球上のあらゆる場所を360度方向から撮影して、ストリート・マッピングに利用することは大変な時間とコストを伴う。しかし、ユーザーが撮った写真を集めて合成し、3D写真を生成することが簡単になれば、近い将来、UGC(ユーザー生成コンテンツ)から自動合成された3D空間を楽しめる日が来るかもしれない。

マイクロソフトのフォトシンス(Photosynth)は、ある場所を様々な角度から撮影した多数の写真を収集、解析し、それらの内容の同一性を分析して、3D写真として再構成するテクノロジーを持つプラットフォームである。出来上がった3D写真は、どんな角度から眺めてもリアルであり、またズームインも容易にできる。フォトシンスは、マイクロソフトとワシントン大学との共同開発によるサービスで、ウェブ上で類似の写真を探す機能も開発中であるという。

CG(コンピュータ・グラフィクス)で生成されたコンテンツでなく、3D写真を利用すれば、コンピュータの中でますます現実に近い画像を利用することができるようになる。これは、従来、バーチャルリアリティ(仮想現実)と呼ばれていた技術の発展系と見てもいいだろう。

一方で、現実世界の空間を生かして、その上にコンピュータで生成された情報を重ね合わせる技術(AR: Augmented Reality、拡張現実感)の研究も進行中である。ARは、通常、透過型のヘッドマウンテッド・ディスプレイを眼前に装着し、現実に見えている風景にコンピュータで生成された文字や画像などの情報(アノテーション)を重ね合わせて表示する技術である。

ARは、戦場の様子に敵兵の状態を重ね合わせて表示することで軍事訓練に利用したり、医者が手術の際に、患者の身体情報や患部の以前の映像などを重ね合わて利用することが想定されている。

セカンドライフのように仮想世界でアバターどうしがインタラクティブな関係を持つことが社会的に話題になっているが、現実世界の空間にアノテーションとしてアバターを重ね合わせるARの研究が進んでいる。これは、米ジョージア工科大学で行われているファシード(Façade)と呼ばれる研究プロジェクトであり、現実世界でアバターどうしが繰り広げるドラマを試行的に製作している。トリップ(Trip)とグレース(Grace)という二人のアバター役になるユーザーは、ヘッドマウンテッド・ディスプレイを装着して、ジェスチャーや会話をしながら 現実の部屋を歩き回るというものだ。

ARは、災害現場、生産現場、教育現場など、広く応用の可能性があるテクノロジーであり、今後の発展が楽しみだ。

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。