有料ビデオダウンロードは死に体か

動画は、電波という希少な資源を利用して、放送局だけが送出することのできる情報ではなくなった。IT環境が潤沢になり、IP(インターネット・プロトコル)上では帯域幅自体が意味をなさなくなり、ユーザー自身がユーザーが製作した動画を送出することができるようになった。

また、映画やドラマなど著作権で保護された動画についても、権利保有者が従来のチャネル(TV、映画館、DVDなど)以外の配信チャネルとしてIPを選択するようにもなってきた。米国では、日本と違ってIP上の動画配信(IPTV)が爆発的に普及する兆しとなるサービスが次々と台頭している。

また、これに伴い、米国では広告のあり方も大きく変化しており、プリロール(pre-roll)広告(配信前広告)だけでなく、配信中広告やユーザーに違和感を感じさせない番組内広告についても研究が進んでいる。

日本でもUGC(ユーザー生成コンテンツ)分野では、ユーチューブ(YouTube)のような米国のサービスを利用するだけでなく、日本人得意の改良を施したニコニコ動画のような楽しみ方が広がっている。権利保護されたコンテンツについては、ワンセグ機能が全ての携帯電話に搭載される勢いであるが、PCベースでの動画配信は米国に比べるとメジャーではない。そのため、広告ビジネスの危機感も米国ほどではないように見える。一方、現代の3種の神器であるDVDレコーダの普及度は高く、その通信機能を用いれば、現状より精密な視聴率を把握することも可能であり、広告出稿形態は従来どおりであっても、より効果の高い広告を配信するような工夫は今後本格的になされてくるだろう。

米国では、ベライゾン・ワイヤレス(Verizon Wireless)のヴィキャスト(VCast)など携帯電話での動画配信(ワンセグではない)についてはユーザーの認知度が低く、ビジネスとしてもまだ成立していない。その反面、IPベースでの動画配信は、これまでケーブルTV中心だった米国の家庭内に徐々に浸透しつつある。米調査会社アイサプライ(iSuppli)が、2007年7月に発表した調査結果によれば、米国の消費者の3分の2が、TVがインターネットに接続されることを希望しており、ネットワーク接続可能な家庭内機器(DVDレコーダ、デジタルテレビ、セットトップボックスなど)の2011年の市場(733百万ドル)は、2006年(225百万ドル)の市場規模の3倍以上にもなると予測している。

IPベースの動画配信をより細かく見ると、2007年5月に米フォレスター・リサーチ(Forrester Research)が発表した「有料ビデオダウンロードに将来はない(No Future For Paid Video Downloads)」というレポートが興味深い。その内容は、有料ビデオのダウンロードは2007年がピーク(2.79億ドル)で、それに代わって広告モデルがオンラインビデオの主流になるというものだ。アップル、アマゾン、マイクロソフト、ウォールマートが、テレビ番組や映画を有料で所有又はレンタルできるダウンロードサービスを始めたが、そのユーザーはオンラインを利用する成人の9%に過ぎず、このようなコンテンスにいくらでも金を払う用意のあるニッチのメディア中毒者であるという。

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。