次世代の主流インターフェイス?マルチタッチ・スクリーン

アップルのアイフォン(iPhone)やアイポッド・タッチ(iPodtouch)が革新的であった理由の一つが、マルチタッチ・スクリーン(Multi-Touch Screen)のインターフェイスであろう。2本の指でスクリーン上に表示された画像などを互いに斜め方向に広げるようにドラッグすると、画像が指の動きに合わせてスムーズに拡大する。このユーザーの直感に訴えたインターフェイス技術は、独のバルダ(Balda)が供給するマルチタッチ・スクリーン技術が可能にしている。

バルダは、台湾のトレンドオン・タッチ・テクノロジー(TrendON Touch Technology)との間で設立したTPKホールディングスから、インジウムスズ酸化物コーティングのガラス・モジュール(透明な電極材料)の供給を受け、エプソン製パネルに組み込んでいると言われている。米調査会社アイサプライの調査によれば、マルチタッチ・スクリーン・モジュールの価格は27ドルと、8GBのアイフォンの価格の約10.8%を占め、アイフォンの中で最も高価なデバイスである。

マイクロソフトも2007年5月に、30インチのマルチタッチ・スクリーンを利用したテーブル型コンピュータであるマイクロソフト・サーフィス(Microsoft Surface)(コードネーム:Milan)を年内に発売すると発表した。当面は、個人用ではなく、スターウッドホテルのようなホテル、レストラン、カジノ、携帯電話の小売店(Tモバイルのショップ)などに設置することを目標としている。このマルチタッチ・スクリーンは、複数箇所を検知することができる他に、スクリーン上にデジカメを置くとデジカメ内の写真データを自動的にサーフェイスの中に取り込んだり、将来的には、レストランのテーブルになっているサーフェイスの上に皆がクレジットカードを差し出すと、自動的に割り勘の金額がチャージされるようなこともできるという。

このサーフェイスは、2001年にマイクソフトのハードウェア部門のステヴィエ・バシチェ(Stevie Bathiche)と、マイクロソフト・リサーチのアンディ・ウィルソン(Andy Wilson)が、インタラクティブ・テーブルを製作しようというビジョンを描いたことに端を発する。その後、2003年に同社のニュー・コンシューマー・プロダクト・グループ所属のデビッド・カーランダー(David Kurlander)が、ビルゲイツにアイデアを話し、1ヶ月以内にプロトタイプを開発した。以後、同社内で暖められた技術がようやく花開いたのである。

このようなインテリジェントなマルチタッチ・スクリーンによるインターフェイス技術はますます面白くなっている。米タッチテーブル(TouchTable)が開発した大画面タッチスクリーン(45インチ、84インチ)は、地理的な情報をチームで共有して閲覧しながら、例えば、災害時の意思決定をする際に用いるインターフェイスとして既に実用化されている。

米ニューヨーク大学(NYU)クーラント数理科学研究所のジェフ・ハン(Jeff Han)のマルチタッチ・インタラクティブ・エクスペリメンツ(Multi-Touch Interactive Experiments)は、映画マイノリティ・レポートを想起させる。画像の拡大・縮小だけでなく、グーグル・アースの自由自在な操作、視覚的なファイル管理など、直感的な操作だけで驚くべき情報処理ができる。ジェフ・ハンによるマルチタッチ・スクリーン技術は、2006年の先端テクノロジー・イベントであるTED(Technology, Entertainment, Design)でも紹介され、多くの反響を呼んだ。現在、ジェフは、同大からのスピンオフ企業パーセプティブ・ピクセル(Perceptive Pixel)を設立し、技術移転を図ろうとしている。

今後、多くのコンピュータや民生機器にマルチタッチ・スクリーン技術が組み込まれるのが当たり前の時代になるだろう。

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